20180403

韓国で本が出版されます。

今年は桜があっと言う間に満開になりました。
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〈 2018年前半の予定 〉
4/7「春ららら市」にワークショップで出店
4/28~7/29 金沢市のギャラリー“Books under Hotchkiss”で作品展示
(※ワークショップやイベントも企画しています、詳細はまた後日)
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そして、この度 韓国で「モモの家の刺繍日記」が出版されます!

韓国のソーシャル・ファンディングサイトで先行予約を開始したようです。
(私自身何て書いてあるのかわかりませんが・・・。)
本と一緒にボタンや花茶などがもらえるようです。
いずれ、韓国の書店でもならびます。

ソーシャル・ファンディングサイト「tumble bug」
→ https://tumblbug.com/jasu

どうして出版にいたったのか?(編集者の言葉より)
本当はこの本は2冊の図録から始まりました。

昨年、日本、金沢21世紀美術館に取材に行った知人が閉館時間ギリギリに目にとまった図録2冊を持って来ました。
海を渡って来た図録には1人の母親が子供を産んで育てながら、1日1日を刺繍で記録したイメージと日記でいっぱいでした。
物を買ったレシート、子供が食べたお菓子の袋に赤い糸で縫った刺繍だなんて!
モンデンエミコとの出会いでした。

日本語が分からず、文も読めませんでしたが、子供たちの姿が盛り込まれている作品の中で温かいながらも強いエネルギーを感じる事が出来ました。
“韓国でも紹介したい!” もしかしてと思い探してみましたが、モンデンエミコの名前で日本で出版された本はなく、金沢21世紀美術館でだけ売られている図録には、作家についての情報が少なかったのです。
私たちは当てもなくメールを送りました。(後に会ったエミコいわく、詐欺ではないかと悩み相談したりもしたそう。)

韓国語しかできない私たちと日本語しかできないエミコは、時には知人の助けを通じて、時には翻訳機を通じてメールを書き、連絡をし、海を渡り会い、結果本を作ることになりました。

一時大きな鉄の彫刻をしていた、
しかし今は、子供たちを育てながら、赤い糸と様々な材料で刺繍をするモンデンエミコ

エミコの刺繍は実は素敵で綺麗な刺繍ではありません。
フランスステッチがどうのこうのという技術もないでしょう。
数日かけて作るものでもありません。
1日、夜、子供を寝かせて10分
その日拾って来たチラシ、その日の子供の薬の袋、その日のお菓子の袋に赤い糸でコツコツ
どんなにしわくちゃで、どんなにぺちゃんこなものでいっぱいだったか。

しかし、その中にパワーを感じました。
子供を育てながら毎日毎日記録することがどんなに大変な事か分かるからです。

全てを話します。
この時期は大変なのだと…
子供は美しいのだと…
待ってみなさいと…
しかし、本当は子供を寝かせながら一緒に寝たい時期でしょう。
仕事をする時は子供が心配で、子供の面倒を見る時は自分が限りなく小さくなった感覚
私を忘れたように、私を捨てたように、生きていく時期
他の人たちがするという育児日記も書いてみたいけど、ただ1日1日を耐えて過ごす時期

モンデンエミコの刺繍日記を見ていると、とても小さく些細ながら、大したことのないように見えるものたちに満ちた日常の中で、母親として生きていく力を得ようと努力したその人生が、
アーティストとして自分の道を忘れたくなかったその人生が、
生活するに社会人として生きなければならなかったその人生が、
キラキラと大切に涙ぐましいばかりです。

このプロジェクトが子供を育てながら育児日記に使うべきなのか、と思わないでほしいです。
この日常の中でこれは自身の日記として書けばもっと特別なんじゃないか、と思わないで下さい。

ただ誰でも…心の中を深くするために、遠いところを回っていく必要はないという話をしたかったです。

今日を考え
今日を記憶し
今日を記録することだけでも
日常はそれだけでも十分に
耐えられる力を与えられるという話をしたかったのです。

嬉しそうに図録を見せてくれた先輩たち、
子供達を連れて遠いところに来てくれたエミコ夫婦、
飛行機代程度のお金にもかかわらず、通訳のために韓国に来てくれた留学生、
韓国に来るモモの家族のために赤い糸で歓迎カードを作った編集者
一緒に遊び回った子供たち
この本は輝く日常の力をあまりにもよく知っている人たちの出会いです。

そうです。本当にしわくちゃなものでしょう。
ほこりのように消えるのです。
しかし、いつか
涙ぐましく懐かしい瞬間ではないでしょうか。
私たちの人生はそんか彫刻たちでしょう。

翻訳:minori.N

韓国の出版事情
韓国の出版社【ダンチュ(日本語でボタンの意味だそうです)】の方いわく、韓国の出版社では海外の本は、すでにできている本を翻訳して作ることはあっても、今回のケースのように一から一緒に作ることはないそうです。だから、海外作家との契約も仕事も初めてで面白い分、前例がなく大変だったそうです。
ダンチュの編集者さんの丁寧な仕事ぶりと、アイディアの豊富さに大変感謝しています。

すごくすごく大切な一冊です。
감사합니다!(ありがとうございました)